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DaemonSet上でローリングアップデートを実施する task 10

このページでは、DaemonSet上でローリングアップデートを行う方法について説明します。

{{% heading "prerequisites" %}}

{{< include "task-tutorial-prereqs.md" >}}

DaemonSetのアップデート戦略

DaemonSetには2種類のアップデート戦略があります:

  • OnDelete: OnDeleteアップデート戦略では、DaemonSetのテンプレートを更新した後、古いDaemonSetのPodを手動で削除した時のみ、新しいDaemonSetのPodが作成されます。 これはKubernetesのバージョン1.5またはそれ以前のDaemonSetと同じ挙動です。
  • RollingUpdate: これは既定のアップデート戦略です。 RollingUpdateアップデート戦略では、DaemonSetのテンプレートを更新した後、古いDaemonSetのPodが削除され、制御された方法で自動的に新しいDaemonSetのPodが作成されます。 アップデートのプロセス全体を通して、各ード上で稼働するDaemonSetのPodは最大で1つだけです。

ローリングアップデートの実施

DaemonSetに対してローリングアップデートの機能を有効にするには、.spec.updateStrategy.typeRollingUpdateに設定する必要があります。

.spec.updateStrategy.rollingUpdate.maxUnavailable(既定値は1)、.spec.minReadySeconds(既定値は0)、そして.spec.updateStrategy.rollingUpdate.maxSurge(既定値は0)についても設定したほうがよいでしょう。

RollingUpdateアップデート戦略によるDaemonSetの作成

このYAMLファイルでは、アップデート戦略としてRollingUpdateが指定されたDaemonSetを定義しています。

{{% code_sample file="controllers/fluentd-daemonset.yaml" %}}

DaemonSetのマニフェストのアップデート戦略を検証した後、DaemonSetを作成します:

kubectl create -f https://k8s.io/examples/controllers/fluentd-daemonset.yaml

あるいは、kubectl applyを使用してDaemonSetを更新する予定がある場合は、kubectl applyを使用して同じDaemonSetを作成してください。

kubectl apply -f https://k8s.io/examples/controllers/fluentd-daemonset.yaml

DaemonSetのRollingUpdateアップデート戦略の確認

DaemonSetのアップデート戦略を確認し、RollingUpdateが設定されているようにします:

kubectl get ds/fluentd-elasticsearch -o go-template='{{.spec.updateStrategy.type}}{{"\n"}}' -n kube-system

システムにDaemonSetが作成されていない場合は、代わりに次のコマンドによってDaemonSetのマニフェストを確認します:

kubectl apply -f https://k8s.io/examples/controllers/fluentd-daemonset.yaml --dry-run=client -o go-template='{{.spec.updateStrategy.type}}{{"\n"}}'

どちらのコマンドも、出力は次のようになります:

RollingUpdate

出力がRollingUpdate以外の場合は、DaemonSetオブジェクトまたはマニフェストを見直して、修正してください。

DaemonSetテンプレートの更新

RollingUpdateのDaemonSetの.spec.templateに対して任意の更新が行われると、ローリングアップデートがトリガーされます。 新しいYAMLファイルを適用してDaemonSetを更新しましょう。 これにはいくつかの異なるkubectlコマンドを使用することができます。

{{% code_sample file="controllers/fluentd-daemonset-update.yaml" %}}

宣言型コマンド

設定ファイルを使用してDaemonSetを更新する場合は、kubectl applyを使用します:

kubectl apply -f https://k8s.io/examples/controllers/fluentd-daemonset-update.yaml

命令型コマンド

命令型コマンドを使用してDaemonSetを更新する場合は、kubectl editを使用します:

kubectl edit ds/fluentd-elasticsearch -n kube-system
コンテナイメージのみのアップデート

DaemonSetのテンプレート内のコンテナイメージ、つまり.spec.template.spec.containers[*].imageのみを更新したい場合、kubectl set imageを使用します:

kubectl set image ds/fluentd-elasticsearch fluentd-elasticsearch=quay.io/fluentd_elasticsearch/fluentd:v2.6.0 -n kube-system

ローリングアップデートのステータスの監視

最後に、最新のDaemonSetの、ローリングアップデートのロールアウトステータスを監視します:

kubectl rollout status ds/fluentd-elasticsearch -n kube-system

ロールアウトが完了すると、次のような出力となります:

daemonset "fluentd-elasticsearch" successfully rolled out

トラブルシューティング

DaemonSetのローリングアップデートがスタックする

時々、DaemonSetのローリングアップデートがスタックする場合があります。 これにはいくつかの原因が考えられます:

いくつかのノードのリソース不足

1つ以上のードで新しいDaemonSetのPodをスケジュールすることができず、ロールアウトがスタックしています。 これはノードのリソース不足の可能性があります。

この事象が起きた場合は、kubectl get nodesの出力と次の出力を比較して、DaemonSetのPodがスケジュールされていないードを見つけます:

kubectl get pods -l name=fluentd-elasticsearch -o wide -n kube-system

そのようなードを見つけたら、新しいDaemonSetのPodのための空きを作るために、ードからDaemonSet以外のいくつかのPodを削除します。

{{< note >}} コントローラーによって制御されていないPodや、レプリケートされていないPodを削除すると、これはサービスの中断が発生する原因となります。 これはまた、PodDisruptionBudgetについても考慮しません。 {{< /note >}}

壊れたロールアウト

例えばコンテナがクラッシュを繰り返したり、(しばしばtypoによって)コンテナイメージが存在しないといった理由で最新のDaemonSetのテンプレートの更新が壊れた場合、DaemonSetのロールアウトは進みません。

これを修正するためには、DaemonSetのテンプレートを再度更新します。 新しいロールアウトは、前の不健全なロールアウトによってブロックされません。

クロックスキュー

DaemonSet内で.spec.minReadySecondsが指定されると、マスターとードの間のクロックスキューによって、DaemonSetがロールアウトの進捗を正しく認識できなくなる場合があります。

クリーンアップ

NamespaceからDaemonSetを削除します:

kubectl delete ds fluentd-elasticsearch -n kube-system

{{% heading "whatsnext" %}}