[ja] add doc for cgroup
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e3a2231fea
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aae210b305
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@ -0,0 +1,106 @@
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title: cgroup v2について
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content_type: concept
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<!-- overview -->
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Linuxでは、{{< glossary_tooltip text="コントロールグループ" term_id="cgroup" >}}がプロセスに割り当てられるリソースを制限しています。
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コンテナ化されたワークロードの、CPU/メモリーの要求と制限を含む[Podとコンテナのリソース管理](/docs/concepts/configuration/manage-resources-containers/)を強制するために、
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{{< glossary_tooltip text="kubelet" term_id="kubelet" >}}と基盤となるコンテナランタイムはcgroupをインターフェースとして接続する必要があります。
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Linuxではcgroup v1とcgroup v2の2つのバージョンのcgroupがあります。
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cgroup v2は新世代の`cgroup` APIです。
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## cgroup v2とは何か? {#cgroup-v2}
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{{< feature-state for_k8s_version="v1.25" state="stable" >}}
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cgroup v2はLinuxの`cgroup` APIの次のバージョンです。
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cgroup v2はリソース管理機能を強化した統合制御システムを提供しています。
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以下のように、cgroup v2はcgroup v1からいくつかの点を改善しています。
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- 統合された単一階層設計のAPI
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- より安全なコンテナへのサブツリーの移譲
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- [Pressure Stall Information](https://www.kernel.org/doc/html/latest/accounting/psi.html)などの新機能
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- 強化されたリソース割り当て管理と複数リソース間の隔離
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- 異なるタイプのメモリー割り当ての統一(ネットワークメモリー、カーネルメモリーなど)
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- ページキャッシュの書き戻しといった、非即時のリソース変更
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Kubernetesのいくつかの機能では、強化されたリソース管理と隔離のためにcgroup v2のみを使用しています。
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例えば、[MemoryQoS](/blog/2021/11/26/qos-memory-resources/)機能はメモリーQoSを改善し、cgroup v2の基本的な機能に依存しています。
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## cgroup v2を使う {#using-cgroupv2}
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cgroup v2を使うおすすめの方法は、デフォルトでcgroup v2が有効で使うことができるLinuxディストリビューションを使うことです。
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あなたのディストリビューションがcgroup v2を使っているかどうかを確認するためには、[Linux Nodeのcgroupバージョンを特定する](#check-cgroup-version)を参照してください。
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### 必要要件 {#requirements}
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cgroup v2を使うには以下のような必要要件があります。
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* OSディストリビューションでcgroup v2が有効であること
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* Linuxカーネルバージョンが5.8以上であること
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* コンテナランタイムがcgroup v2をサポートしていること。例えば、
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* [containerd](https://containerd.io/) v1.4以降
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* [cri-o](https://cri-o.io/) v1.20以降
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* kubeletとコンテナランタイムが[systemd cgroupドライバー](/docs/setup/production-environment/container-runtimes#systemd-cgroup-driver)を使うように設定されていること
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### Linuxディストリビューションのcgroup v2サポート
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cgroup v2を使っているLinuxディストリビューションの一覧は[cgroup v2ドキュメント](https://github.com/opencontainers/runc/blob/main/docs/cgroup-v2.md)をご覧ください。
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<!-- 一覧は https://github.com/opencontainers/runc/blob/main/docs/cgroup-v2.md と同期してください -->
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* Container-Optimized OS (M97以降)
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* Ubuntu (21.10以降, 22.04以降推奨)
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* Debian GNU/Linux (Debian 11 bullseye以降)
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* Fedora (31以降)
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* Arch Linux (April 2021以降)
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* RHEL and RHEL-like distributions (9以降)
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あなたのディストリビューションがcgroup v2を使っているかどうかを確認するためには、あなたのディストリビューションのドキュメントを参照するか、[Linux Nodeのcgroupバージョンを特定する](#check-cgroup-version)の説明に従ってください。
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カーネルのcmdlineの起動時引数を修正することで、手動であなたのLinuxディストリビューションのcgroup v2を有効にすることもできます。
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あなたのディストリビューションがGRUBを使っている場合は、
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`/etc/default/grub`の中の`GRUB_CMDLINE_LINUX`に`systemd.unified_cgroup_hierarchy=1`を追加し、`sudo update-grub`を実行してください。
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ただし、おすすめの方法はデフォルトですでにcgroup v2が有効になっているディストリビューションを使うことです。
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### cgroup v2への移行 {#migrating-cgroupv2}
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cgroup v2に移行するには、[必要要件](#requirements)を満たすことを確認し、
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cgroup v2がデフォルトで有効であるカーネルバージョンにアップグレードします。
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kubeletはOSがcgroup v2で動作していることを自動的に検出し、それに応じて処理を行うため、追加設定は必要ありません。
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ノード上やコンテナ内からユーザーが直接cgroupファイルシステムにアクセスしない限り、cgroup v2に切り替えたときのユーザー体験に目立った違いはないはずです。
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cgroup v2はcgroup v1とは違うAPIを利用しているため、cgroupファイルシステムに直接アクセスしているアプリケーションはcgroup v2をサポートしている新しいバージョンに更新する必要があります。例えば、
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* サードパーティーの監視またはセキュリティエージェントはcgroupファイルシステムに依存していることがあります。
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エージェントをcgroup v2をサポートしているバージョンに更新してください。
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* Podやコンテナを監視するために[cAdvisor](https://github.com/google/cadvisor)をスタンドアローンのDaemonSetとして起動している場合、v0.43.0以上に更新してください。
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* JDKを利用している場合、[cgroup v2を完全にサポートしている](https://bugs.openjdk.org/browse/JDK-8230305)JDK 11.0.16以降、またはJDK15以降を利用することが望ましいです。
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## Linux Nodeのcgroupバージョンを特定する {#check-cgroup-version}
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cgroupバージョンは利用されているLinuxディストリビューションと、OSで設定されているデフォルトのcgroupバージョンに依存します。
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あなたのディストリビューションがどちらのcgroupバージョンを利用しているのかを確認するには、`stat -fc %T /sys/fs/cgroup/`コマンドをノード上で実行してください。
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```shell
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stat -fc %T /sys/fs/cgroup/
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```
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cgroup v2では、`cgroup2fs`と出力されます。
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cgroup v1では、`tmpfs`と出力されます。
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## {{% heading "whatsnext" %}}
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- [cgroups](https://man7.org/linux/man-pages/man7/cgroups.7.html)についてもっと学習しましょう。
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- [コンテナランタイム](/ja/docs/concepts/architecture/cri)についてもっと学習しましょう。
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- [cgroupドライバー](/docs/setup/production-environment/container-runtimes#cgroup-drivers)についてもっと学習しましょう。
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