From aae210b305d08d3eb59f98d7122d02df29621341 Mon Sep 17 00:00:00 2001 From: FeLvi-zzz <34182539+FeLvi-zzz@users.noreply.github.com> Date: Tue, 24 Jan 2023 22:55:42 +0900 Subject: [PATCH] [ja] add doc for cgroup --- .../ja/docs/concepts/architecture/cgroups.md | 106 ++++++++++++++++++ 1 file changed, 106 insertions(+) create mode 100644 content/ja/docs/concepts/architecture/cgroups.md diff --git a/content/ja/docs/concepts/architecture/cgroups.md b/content/ja/docs/concepts/architecture/cgroups.md new file mode 100644 index 0000000000..8a9f14d7c3 --- /dev/null +++ b/content/ja/docs/concepts/architecture/cgroups.md @@ -0,0 +1,106 @@ +--- +title: cgroup v2について +content_type: concept +weight: 50 +--- + + + +Linuxでは、{{< glossary_tooltip text="コントロールグループ" term_id="cgroup" >}}がプロセスに割り当てられるリソースを制限しています。 + +コンテナ化されたワークロードの、CPU/メモリーの要求と制限を含む[Podとコンテナのリソース管理](/docs/concepts/configuration/manage-resources-containers/)を強制するために、 +{{< glossary_tooltip text="kubelet" term_id="kubelet" >}}と基盤となるコンテナランタイムはcgroupをインターフェースとして接続する必要があります。 + +Linuxではcgroup v1とcgroup v2の2つのバージョンのcgroupがあります。 +cgroup v2は新世代の`cgroup` APIです。 + + + +## cgroup v2とは何か? {#cgroup-v2} +{{< feature-state for_k8s_version="v1.25" state="stable" >}} + +cgroup v2はLinuxの`cgroup` APIの次のバージョンです。 +cgroup v2はリソース管理機能を強化した統合制御システムを提供しています。 + +以下のように、cgroup v2はcgroup v1からいくつかの点を改善しています。 + +- 統合された単一階層設計のAPI +- より安全なコンテナへのサブツリーの移譲 +- [Pressure Stall Information](https://www.kernel.org/doc/html/latest/accounting/psi.html)などの新機能 +- 強化されたリソース割り当て管理と複数リソース間の隔離 + - 異なるタイプのメモリー割り当ての統一(ネットワークメモリー、カーネルメモリーなど) + - ページキャッシュの書き戻しといった、非即時のリソース変更 + +Kubernetesのいくつかの機能では、強化されたリソース管理と隔離のためにcgroup v2のみを使用しています。 +例えば、[MemoryQoS](/blog/2021/11/26/qos-memory-resources/)機能はメモリーQoSを改善し、cgroup v2の基本的な機能に依存しています。 + +## cgroup v2を使う {#using-cgroupv2} + +cgroup v2を使うおすすめの方法は、デフォルトでcgroup v2が有効で使うことができるLinuxディストリビューションを使うことです。 + +あなたのディストリビューションがcgroup v2を使っているかどうかを確認するためには、[Linux Nodeのcgroupバージョンを特定する](#check-cgroup-version)を参照してください。 + +### 必要要件 {#requirements} + +cgroup v2を使うには以下のような必要要件があります。 + +* OSディストリビューションでcgroup v2が有効であること +* Linuxカーネルバージョンが5.8以上であること +* コンテナランタイムがcgroup v2をサポートしていること。例えば、 + * [containerd](https://containerd.io/) v1.4以降 + * [cri-o](https://cri-o.io/) v1.20以降 +* kubeletとコンテナランタイムが[systemd cgroupドライバー](/docs/setup/production-environment/container-runtimes#systemd-cgroup-driver)を使うように設定されていること + +### Linuxディストリビューションのcgroup v2サポート + +cgroup v2を使っているLinuxディストリビューションの一覧は[cgroup v2ドキュメント](https://github.com/opencontainers/runc/blob/main/docs/cgroup-v2.md)をご覧ください。 + + +* Container-Optimized OS (M97以降) +* Ubuntu (21.10以降, 22.04以降推奨) +* Debian GNU/Linux (Debian 11 bullseye以降) +* Fedora (31以降) +* Arch Linux (April 2021以降) +* RHEL and RHEL-like distributions (9以降) + +あなたのディストリビューションがcgroup v2を使っているかどうかを確認するためには、あなたのディストリビューションのドキュメントを参照するか、[Linux Nodeのcgroupバージョンを特定する](#check-cgroup-version)の説明に従ってください。 + +カーネルのcmdlineの起動時引数を修正することで、手動であなたのLinuxディストリビューションのcgroup v2を有効にすることもできます。 +あなたのディストリビューションがGRUBを使っている場合は、 +`/etc/default/grub`の中の`GRUB_CMDLINE_LINUX`に`systemd.unified_cgroup_hierarchy=1`を追加し、`sudo update-grub`を実行してください。 +ただし、おすすめの方法はデフォルトですでにcgroup v2が有効になっているディストリビューションを使うことです。 + +### cgroup v2への移行 {#migrating-cgroupv2} + +cgroup v2に移行するには、[必要要件](#requirements)を満たすことを確認し、 +cgroup v2がデフォルトで有効であるカーネルバージョンにアップグレードします。 + +kubeletはOSがcgroup v2で動作していることを自動的に検出し、それに応じて処理を行うため、追加設定は必要ありません。 + +ノード上やコンテナ内からユーザーが直接cgroupファイルシステムにアクセスしない限り、cgroup v2に切り替えたときのユーザー体験に目立った違いはないはずです。 + +cgroup v2はcgroup v1とは違うAPIを利用しているため、cgroupファイルシステムに直接アクセスしているアプリケーションはcgroup v2をサポートしている新しいバージョンに更新する必要があります。例えば、 + +* サードパーティーの監視またはセキュリティエージェントはcgroupファイルシステムに依存していることがあります。 + エージェントをcgroup v2をサポートしているバージョンに更新してください。 +* Podやコンテナを監視するために[cAdvisor](https://github.com/google/cadvisor)をスタンドアローンのDaemonSetとして起動している場合、v0.43.0以上に更新してください。 +* JDKを利用している場合、[cgroup v2を完全にサポートしている](https://bugs.openjdk.org/browse/JDK-8230305)JDK 11.0.16以降、またはJDK15以降を利用することが望ましいです。 + +## Linux Nodeのcgroupバージョンを特定する {#check-cgroup-version} + +cgroupバージョンは利用されているLinuxディストリビューションと、OSで設定されているデフォルトのcgroupバージョンに依存します。 +あなたのディストリビューションがどちらのcgroupバージョンを利用しているのかを確認するには、`stat -fc %T /sys/fs/cgroup/`コマンドをノード上で実行してください。 + +```shell +stat -fc %T /sys/fs/cgroup/ +``` + +cgroup v2では、`cgroup2fs`と出力されます。 + +cgroup v1では、`tmpfs`と出力されます。 + +## {{% heading "whatsnext" %}} + +- [cgroups](https://man7.org/linux/man-pages/man7/cgroups.7.html)についてもっと学習しましょう。 +- [コンテナランタイム](/ja/docs/concepts/architecture/cri)についてもっと学習しましょう。 +- [cgroupドライバー](/docs/setup/production-environment/container-runtimes#cgroup-drivers)についてもっと学習しましょう。